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2016年12月16日

ガソリンが漏れた携行缶(相談解決のためのテストからNo.104)



ガソリンが漏れた携行缶(相談解決のためのテストからNo.104)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「ガソリン携行缶からガソリンが漏れたので、交換してもらったところ、交換品も漏れた。ガソリンが漏れた原因を調べてほしい。」という依頼を受けました。

 当該品は容量10Lのガソリン携帯缶で、鋼板を溶接により接合した商品でした。相談者の申し出によると、給油口近くまでガソリンを入れると漏れているようにみられるが、穴などは確認できなかったとのことでした。

 当該品を調査したところ、給油ノズルは自動車等に給油するときには先端を上向きにして取り付けるが、保管時は下向きに取り付けて先端がタンク内に収容され、液面の下に伸びるようになっていました。タンクキャップと給油ノズルのツバ部の間にはOリング(オーリング)を挟んでいましたが、密閉が不完全になりやすい設計になっていました。

 エア調整ネジを締めた状態でタンク内にガソリンを注入し、給油ノズルを下向きに取り付けてタンクキャップを閉めると、すぐにOリング部付近からガソリンが漏れ出して携行缶の上面から前側面を伝わりました。また、ガソリンが漏れないようにタンクキャップを強く閉めても、緩めるとすぐにガソリンが溢(あふ)れ出しました。

 以上、当該品はタンクキャップと給油ノズルのツバ部の間の密閉が不完全になりやすい設計であるため、取扱説明書に従いエア調整ネジを適宜緩めて缶内の圧力を調整するようにしないと、ガソリンの蒸気圧により下向きに取り付けた給油ノズルの内側の液面が押し上げられてガソリンが漏れることが分かりました。確実に密閉できるように、設計の改善が望まれました。

 テスト結果を製造事業者に説明したところ、ノズルの本体への差込部や給油口の構造を変更して密閉性を高めることなどにより、ガソリンが漏れることがないようにしたとの報告がありました。



本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20161215_5.html