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大師寺 からのお知らせ
2019年05月06日
思わぬ大けがに!高齢者の脚立・はしごからの転落-医療機関ネットワークからみる危害の実態-
思わぬ大けがに!高齢者の脚立・はしごからの転落-医療機関ネットワークからみる危害の実態-
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。
脚立やはしごは、高い所での作業や移動に使用される用具で、労働現場だけでなく家庭でも広く使用されています。庭木の手入れや荷物の整理など、脚立やはしごを使用した作業中にバランスを崩すなどして転落する事故の情報が、医療機関ネットワークに433件(注1)寄せられています。その半数以上(236件)が60~70歳代でした。3件の死亡事故のほか、入院を要する事故が約半数の206件で、頭蓋(がい)内損傷や脊髄(せきずい)損傷、大腿(たい)や骨盤骨折などの重篤なけがを負った事例もみられます。
加齢により身体・認知さまざまな面での機能のおとろえがみられ、若年者のようにバランスをとることや、複数のことを同時にすることが難しくなってきます。また、転落事故により死亡に至らなくとも、骨折などのけががきっかけとなり介護が必要な状態になるおそれがあります。今後の生活への影響を考え、高所作業を避ける方法はないか十分検討したうえで、作業をする場合は用具と身体両方の安定を確保し、転落に注意して慎重に行ってください。
- (注1)2010年12月以降、2019年2月末までに伝送分で、受傷者の年齢が20歳以上の事例のうち、脚立とはしごに関連する語句が含まれるものを本公表のために精査しました。ロフトや遊具のはしごのように、明らかに可搬形ではない事例は対象から除いています。
脚立やはしごからの転落事故の概要
- 脚立やはしごが関係する20歳以上の大人の事故が458件報告されており、そのうち転落事故が433件で約95%を占めています。
- 約半数で入院治療が必要でした。3件の死亡事故も発生しています。
- 60歳代後半が最も多く、60~70歳代で半数以上を占めています。
- 主な症状別では骨折が4割。頭蓋内損傷や内臓損傷、脊髄損傷などもみられます。
- 若年者は四肢、高齢になるにつれて頭頚部や胴体を受傷しています。
- 屋外での事故が約8割を占め、特に庭木の手入れ中の事故が目立っています。
主な事故事例
- 【事例1】
- 梅を採ろうと脚立の約3mの高さで作業中にコンクリートの地面に転落した。音を聞いた妻が駆けつけたが、呼びかけに反応がなかった。外傷性くも膜下出血、急性硬膜下血腫、頚椎椎体骨折を3カ所認めた。
- (70歳代後半・男性)
- 【事例2】
- 庭で剪定(せんてい)作業中にはしごから転落した。うめき声に気付いた近所の人が救急要請した。頚髄損傷があり、完全麻痺を認め入院、同日ドクターヘリにて脊髄損傷の専門機関へ転院した。
- (60歳代後半・男性)
脚立やはしごの事故防止対策について
- 脚立やはしごは昇降面左右方向へ転倒しやすいため、その転倒防止策として安定性補助器具を付けた製品やその別売品が各メーカーから販売されています。
- 作業の安定性を高めるために踏ざん幅を広げた脚立、作業時に手で支えられるような上枠付の専用脚立などが、各メーカーより販売されています。
- 一般家庭で使用されるはしごや脚立等には、品質・安全基準を定めたJISマーク、SGマーク、Aマークがあり、製品の表面のラベルや取扱説明書には、注意事項や正しい使用法等が記載されています。
消費者へのアドバイス
脚立やはしごからの転落事故は、60~70歳代が半数以上を占めており、高齢者の事例が多く報告されています。なかには死亡事故のほか、頭蓋内損傷や脊髄損傷のような重篤な危害もありました。また、約半数で入院を必要としており、事故による骨折などがきっかけとなって介護が必要になることも考えられます。今後の生活への影響も考えて、以下の点について慎重に判断・行動してください。
- 脚立やはしごを使用しない方法を検討しましょう。
- 一人きりでの作業はやめましょう。より安定性の高い用具を選択しましょう。
- あらかじめ無理のない計画を立て、作業中の「あと少し」をなくしましょう。ヘルメット、動きやすい服、滑りにくい靴などを事前に準備しておきましょう。
- 確実に設置し、バランスを崩しにくい姿勢で使用しましょう。
- 転落した場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
業界への要望
- 特に高齢者に向けた啓発活動と、より安全な商品の開発・普及を要望します。
要望先
- 一般社団法人軽金属製品協会(法人番号1010405003975)
- 一般社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会(法人番号8010005004343)
情報提供先
- 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
- 経済産業省 製造産業局 生活製品課(法人番号4000012090001)
- 経済産業省 商務情報政策局 製品安全課(法人番号4000012090001)
- 厚生労働省 労働基準局 安全衛生部 安全課(法人番号6000012070001)
- 一般財団法人製品安全協会(法人番号1010505002118)
- 公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会(法人番号4010605002519)
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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