「わたしは雨期にはここに住もう。冬と夏にはここに住もう」と、愚者はこうようにくよくよと慮（おもんばか）って、死が迫って来るのに気がつかない。

子どもや家畜のことに気を奪われて心が執着している人を、死は捉（とら）えてさらって行く。

子も救うことができない。父も親戚もまた救うことができない。死におそわれた者にｔぽっては、かれらも救済者とはならない。

「わたしはこれをなしとげた。これをしたならばこれをしなければならないであろう。」というふうに、あくせくして人々を、老いと死とが粉砕（ふんさい）する。

それ故に、修行者らは、つねに瞑想を楽しみ、心を安定統一して、つとめはげみ、生と老いとの究極を見きわめ、悪魔とその軍勢に打ち克って、生死の彼岸に達する者となれ。

・・・・・ブッダ